もうひとつ、日本名門酒会という組織があります。
酒問屋の「岡永」の飯田博社長が、ずいぶん以前に日本酒のとくに大手の桶買いブレンド酒のよくない画一化を憂えて、12の全国各地の良心的中堅酒蔵と特約し、一方大手酒に飽き足らずいい地方酒を集めたいという小売店を組織して、消費者にそういう酒を届けようとしました。
いまではその酒も80種を越え、やがて100に及ぶ勢いですが、最初の12名門銘柄に、『一人娘』は『新政』(秋田)、『真澄』(長野)などとともに加わっていました。
そのことも懐かしいのです。
この『一人娘』が酒のわかる人々の間で美酒としてたたえられているのは、水よりも軽く淡く感じられるように楚々としていながら、しかもぴーんと張りつめた、日本酒の1つの理想ともいうべき味わいを持っているからです。
その味わいを、最近の『一人娘』の純米酒はいっそう深めているようです。